NEWS
「第3回ポストコロナにおける中小企業のための経営力強化セミナー」を開催しました!
愛媛県では、社会経済環境の変化に対応した県内中小企業の競争力強化やポストコロナを勝ち抜く経営力強化を目的として、ポストコロナにおける中小企業のための経営力強化セミナーを開催しています。
本セミナーは全3回シリーズで開催しており、第3回を令和5年12月21日に開催しました(参加者80名)。
第3回セミナーのアーカイブ視聴を希望される方は、こちらからご視聴ください。
(基調講演部分については、登壇者のご意向により一部カットしている部分がございます。予めご了承ください。)
第1回セミナーの様子はこちらから、第2回セミナーの様子はこちらからご覧ください。
第3回セミナーの様子
オープニングトーク
PwCコンサルティング合同会社
公共事業部 マネージャー
田村 亘 氏
オープニングトークでは、県の総合経営支援拠点「CONNECTえひめ」運営事業者である、PwCコンサルティング合同会社の田村氏から「イノベーションによる新たな価値の創造」をテーマにお話しいただきました。
外部環境や時代の変化に適応しながら中小企業が成長していくためには、積極的な課題・ニーズ発掘や、取引先との共同開発など、中小企業自体が主体性を持って仕掛けていくことが求められています。イノベーション創出に向けた研究開発においては、顧客ニーズの把握が重要である一方、顧客ニーズを満たすことは容易ではないため、中小企業の持つ技術と顧客のニーズを相互に共有・理解していき、機能に着目した技術の用途展開や、顧客価値を意識した競合優位性の検討、顧客に応じた価値の表現といった工夫が必要である旨、ご説明いただきました。
また、イノベーションによる新たな価値を創出するためには、自社だけで進めていくのではなく、他機関との連携の可能性についてもお話しいただきました。他機関と連携する際には各機関の目的や考え方が異なることを意識し、綿密にコミュニケーションをとることや、地域の支援機関や補助金等を上手く活用しながら、イノベーションに取り組むことが重要であることをご説明いただきました。
基調講演
「異業種から医療機器分野への新規参入事例~医工連携を活用した医療機器開発~」
株式会社タカトリ
医療機器カンパニー 副カンパニー長 福光 秀之 氏
続いて、基調講演では、株式会社タカトリの福光氏を講師にお招きし、他業種企業との連携と地域資源の活用により医療機器分野への参入を達成した自社の経験についてご紹介いただきました。
まず、自社が有する技術がどのようなニーズに対応できるのかを考え、当社の自動ワイヤー巻き線機構の技術を活用し、揺動技術を加えることで、主要製品である「マルチワイヤーソー」が誕生した経緯をお話しいただきました。
次に、産学官連携によるイノベーション創出に取り組んだことにより、売上向上を実現した経験を踏まえ、産学官連携の具体的な活用方法や効果などをご共有いただき、他機関と連携することの有効性をご説明いただきました。
さらに、当社の医療機器分野参入時の事例をもとに、国の承認が必要な製品開発に際しては、市場における製品の分類等を踏まえたうえで、参入障壁と自社の参入可能性を的確に見極め、戦略的に開発を進めることが大切であることをご説明いただきました。
トークセッション
PwCコンサルティング合同会社
公共事業部 マネージャー
田村 亘 氏
株式会社タカトリ
医療機器カンパニー 副カンパニー長 福光 秀之 氏
トークセッションでは、株式会社タカトリの福光氏とPwCコンサルティング合同会社の田村氏による対談を行いました。
田村氏から、景気の落ち込みなどによる危機感がプラスに働くことがあるのかと質問したところ、福光氏から、不景気だからこそ異分野に新規参入した経緯もあり、情報が集まりやすい支援機関と情報交換することが効果的であるとご返答いただきました。
続けて、情報収集の方法について意識していることを質問したところ、異分野に進出する場合は、既存の情報網があまり役に立たないため、相談に対するハードルが低い県庁や国の経済産業局などの行政機関と情報交換を図ること、また、同分野に進出する場合は、業界の上位層に位置する企業や経営者との交流を持つことを意識している、との回答をいただきました。
また、大学との連携の際に苦労した点に対しては、立場の違いや認識の相違による衝突もあったが、衝突が発生した際には、早急にコミュニケーションを取りに行き、会話を積み重ねることで信頼関係を構築し、課題を解決してきた経験をご共有いただきました。
CONNECTえひめでは、県内支援機関や金融機関等と連携し、ポストコロナに向けた新事業展開等に取り組む県内事業者を支援していきます。
総合経営支援拠点「CONNECTえひめ」への経営相談を希望される方は、こちらの相談窓口からお問い合わせください。